最近のトラックバック

2021年5月
            1
2 3 4 5 6 7 8
9 10 11 12 13 14 15
16 17 18 19 20 21 22
23 24 25 26 27 28 29
30 31          
無料ブログはココログ

« 「クワイエットルームにようこそ」 の読後 | トップページ | 「太陽の塔」 の読後 »

2009-10-23

「となり町戦争」 の読後

集英社文庫 / 三崎 亜記

町役場から届いた任命書で、となり同士の町が戦争状態に入ったことを知る主人公。表面上はごく普通の日常なのに、自分の知らないところで確実に戦争は進み、人が死んでいく。

戦後、二十年以上たってから生まれた私にとって、戦争は自分が知らない他人ごと、単なる昔話であったり、(心理的に) 遠い外国で行われる悲劇にすぎないところがあります。この作品は、そういった「自分が知らない」という状況はそのままに、生活のごく身近なところまで「戦争」を引き寄せたものです。

ストーリーもおもしろいですが、主人公のお目付け役になった町役場の女性職員の描写がとてもいいです。周りの状況を何もかも受け入れて自分の感情を殺している様がなんとも悲しくいとおしく感じられます。

日常のとなりにある戦争を書いた小説では筒井康隆の「東海道戦争」があって、シチュエーションの不気味さという点で同じ匂いを感じます。でも、「となり町戦争」は非常に繊細で悲しげな人の感情を扱っており、まったく異なる読了感をあじわえます。

« 「クワイエットルームにようこそ」 の読後 | トップページ | 「太陽の塔」 の読後 »

読後の感想」カテゴリの記事

コメント

この記事へのコメントは終了しました。

トラックバック


この記事へのトラックバック一覧です: 「となり町戦争」 の読後:

« 「クワイエットルームにようこそ」 の読後 | トップページ | 「太陽の塔」 の読後 »