「きいろいゾウ」 の読後
小学館文庫 / 西 加奈子
都会からはなれて田舎暮らしを始めた若夫婦、ムコさんとツマ。自然と会話することができる多感なツマと、そんな彼女を暖かく見守るムコさんとの穏やかな日々。しかし、ある日突然ムコさんが東京に出ていき、ツマの心は大きく乱されて ..。
お互いの心を求めてやまないのに、それを結ぶ糸はいつ切れるかわからないほどか細く危うい。不安定で繊細なツマの心の動きを追っていると、はらはらさせられます。あまりに好人物すぎる二人の、今後の生活に幸多いことを祈ります。
この物語のおもしろさは、ツマと村の人や動物たちとのふれあいにあるでしょう。いくつか登場する動物たちのなかでも、私は犬のカンユさんが好きです。ネーミングセンスがすっとぼけていていいですし、ツマに話す「言葉」がなんともいい雰囲気を出しています。家の近所で、とぼけた顔をした犬を見たりすると、カンユさんみたいな「言葉」をしゃべっているのかなあと思ってちょっとおかしくなります。
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